妊娠出産は奇跡

不妊症&不育症でも子供が欲しい37歳の妊活奮闘記。

【はじめての妊娠】第13回「流産」

全19回に亘ってはじめての妊娠の時のことについて振り返っています。
※最終的に流産となりますが、途中妊娠中の記事もありますので、ご注意下さい。
第13回目の今日は「流産」について。※長文になります。

  1. はじまり ※こちらから1-19全ての記事にアクセスできます。 kasumintea919.hatenablog.com
  2. 婦人科受診
  3. 妊活
  4. 卵管造影検査
  5. 運命の日
  6. 妊娠
  7. 報告
  8. ちびみ
  9. 胎嚢確認
  10. 心拍確認
  11. 実感
  12. 異変
  13. 流産
  14. 受容
  15. 確定診断
  16. 手術
  17. 愛情
  18. 回復
  19. ちびみへ

13.流産

平成29年1月16日、9w1dの日

仕事を早退し、私はタクシーでかかりつけの病院の本院に行くことにしました。
行先を告げると、私の緊迫した雰囲気が伝わったのか
気のせいかもしれませんが、慎重に運転してくれているように感じました。
私は、タクシーの中で旦那にLINEしました。

「ちびみ、大丈夫かな?」

と送信しようとしましたが、思い直し

「ちびみは大丈夫!!」

そう送りました。
不安になると、その通りになりそうな気がしたからです。
不安を打ち消す気持ちで

「もしかしたら、今日には予定日がわかるかもしれないし!」

と、前向きに考えるようにしました。


病院には、16時半前に到着し、あまり待たずに診察してもらうことができました。
本院は待合ラウンジが「婦人科」と「産科」に分かれているのですが
案内されたのは「婦人科ラウンジ」でした。

「私はまだ産科じゃないんだ・・・」

と、不安な気持ちが増大しました。
私は以前、本院にもお世話になったことがあったため
今までに診察してもらったことのある先生だといいなぁと思っていたのですが
初めての先生でした。

先生に状況を説明すると、内診してみましょうということで内診台に乗りました。
いつもの病院では、先生と同じエコー画面を見ていたのですが
本院では、患者専用のモニターが設置されていました。

最初に出血の状況を診察してもらうと、綿球にはわずかな出血しかなく

「確かに出血はしているけど、ほんとにちょっとって感じだね。」

と先生は笑顔で言ってくれました。
少しほっとしました。

「じゃあ、赤ちゃん見てみようか。」

そう言ってエコーを始めると、モニターにはすぐにちびみが映りました。
いつもより画像が粗く、はっきりしていなかったため、動いているのが私にはわかりませんでしたが、

「画像が粗いせいだろう」

そう思っていました。そう思おうとしていました。
先生は念入りに確認した後

「前に受診したのはいつだっけ?」

と聞いてきました。
突然だったので、すぐには答えられませんでした。
もしかしたら、動いていない!?と不安になっていたせいかもしれません。


ちびみを測ると「15.3㎜」という数字が見えました。
数字を見た瞬間は

「よかった、大きくなってる!!!」

と思ったのですが、先生から

「あまり成長していないね。」

と言われ、ハッとしました。
その時はとっさのことでわからなかったのですが、
前回は8w2dで13.5mmだったのが、今日は9w1dで15.3mm
6日で1.8mmしか成長していなかったのです。


「成長していないのもそうだけど・・・。」

先生が言葉を続けます。

「心拍が確認できないんだよね。本当なら、この辺が動いているのがわかるんだけど・・・。」


気のせいではありませんでした。
モニターのせいでもありませんでした。
改めて念入りに自分でもモニターを確認しましたが
自分の目で見ても、ちびみの心臓の動きは確認できませんでした。


「とりあえず終わりますね。」

そう言って診察が終わりました。
着替えながら、涙をこらえるのに必死でした。


着替え終え先生の前に座ります。

「こういうことは、1回では決められないから、もう1度受診してほしいんだけど、そうだね、明日は来れる?」

そう聞かれました。
私は「はい」と頷きました。

「明日診察してみて、動いているのが確認できなければ、流産ということになります。手術の準備をしましょう。」

そう言われました。

「流産」という言葉を聞いて、それまでこらえていた涙があふれました。

もともとかかっていた分院の方に受診すればよいか聞くと
分院では色々と検査ができないため、本院の方に受診するよう言われました。
その時点で、もう声を上げずに泣くことができなくなっていました。
先生がまだ何か言っていましたが、もう耳には入りませんでした。
嗚咽を上げながら泣いている私の背中を、看護師さんが支えてくれていました。

「質問はありますか?」

先生からそう聞かれ、首を振ることしかできませんでした。
何も考えられませんでした。
言葉も発せられませんでした。

診察室を出る時も、「ありがとうございました」さえ言えませんでした。
歩くことが精一杯でした。

看護師さんが診察室を一緒に出てくれて、そのまま私を支えながら
処置室の一角のカーテンで仕切られているベッドへ案内してくれました。
看護師さんは私の横に座り、私を支え続けてくれました。

「こういうことは、何かをしたからということではないんです。
だから、自分を責めないでくださいね。」

そう声をかけてくれました。
今までネットで色々検索をしてる中で、この時期の流産は母体のせいではなく、
赤ちゃんの染色体異常が原因だということは知っていましたが、
それでも心に沁みました。

「誰か迎えに来てくれる人はいますか?」

そう聞かれて

「夫が迎えに来てくれるはずなんですけど。」

ようやく言葉を発することができました。
ここで電話を使用しても良いということで、旦那に電話をしてみましたが、繋がりませんでした。
少し落ち着いたのを確認し、看護師さんのお礼を言って、会計へ移動しました。


電話が繋がらなかったため、LINEで報告することにしました。

「ちびみ9割5分だめだって。心臓動いていなかった。」

そう送りました。
時間は17時頃でしたが、なかなか既読になりませんでした。
母にも報告しようと思いました。
上司にも受診の結果を報告しなければ、と思いましたが、
とても誰かに話せる状況ではありませんでした。
旦那がまだ仕事中なのであれば、私の上司に報告してきて欲しいと、LINEで依頼することにしました。

17時半を過ぎても、LINEは既読になりませんでした。
声を上げて泣くことはありませんでしたが、それでも黙っていても涙が溢れてきました。
私は病院の職員に確認し会計前の待合室で待っていたのですが、
すでに外来の時間が終了していたため
待合室には誰もいなくなり、警備員だけがウロウロしていました。
外来で待っているのも気まずくなり、地下鉄で帰ろうかとも思いましたが
とりあえず旦那からの連絡を待つことにしました。

17時38分になり、旦那からようやく電話がかかってきました。
旦那の声を聞いてほっとしましたが、同時に涙がこみ上げてきました。
もう少しかかるとのことでしたが、このまま旦那の迎えを待つことにしました。

17時55分になり、これから出発すると連絡が来ました。

18時10分になり、旦那が病院に到着しました。
車に乗り込むとすぐに、旦那にもたれかかって泣きました。
旦那の一言目は、まさかの

「シートベルトしたほうがいいよ。」

でした。




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